累(かさね)5巻 雑感。
松浦だるまさんの累(かさね)の5巻。
相変わらず表紙がすごく綺麗です。妖艶です。
今回、野菊がじわりじわりと、かさねに近づいてきます。
唯一、かさねへの執念が生きる理由になっている。
だけれど、そのかさね(丹沢ニナ)が唯一心開ける相手で、
少しずつその真実に近づいていって……
このドロドロした感じがたまらなく好きです。
正直、私はかさねに破滅しか感じてません。
この物語は、かさねの破滅で終わるのではないかと予想してます。
でも、その場合、誰も報われないんですよね。
そもそもの設定としてハッピーエンドが想像できる物語ではないんですけど、
だからこそ、いつ崩れてしまうのか、おそるおそる読んでしまうのです。
その破滅の瞬間が近づけば近づくほど、この物語は成熟する。
かさねの母、透世は最後まで破滅せずに女優を全うしましたが、
かさねには決してそんなエンディングは用意されてないでしょう。
ぞっくぞっくしますね。
巻末の広告で知ったのですが、
透世の物語が小説家されているようです。
しかも、作者自ら執筆とのこと!
漫画描きながら小説も書くとは……。
小説は恐ろしい数積んでるので、すぐには読めませんが、
機会があったら読みたいですね。