地方創生と、地方の就活生を支援することの矛盾。
地方創生と学生の就職活動に並々ならぬ関心を持つ私です。
地方に学生が就職し、満足して働ける在り方を模索する毎日です。
課題としては、
・学生は「自分のやりたいことが分からない」が8割。
・企業は「手のかからず黙って働いてくれる優秀な学生が欲しい」というのが本音
というのが印象です。
そもそも、情報過多で企業や行政が発信する「やりがい」「魅力」などと、メディアが発信する「低賃金」「ブラック企業」のイメージが双方にぶつかり判断基準がなくなっているような気がします。
しかし、地方で理想の企業を探すのって、かなり難しい気がします。
企業が体質を改善しなければ、学生は働きたいと思わないでしょうし、
学生も集まらなくなると思います。
もちろん、良い企業もあるのですが、そういったところはあまり新卒採用していないイメージ。
地方で働く若い世代をしっかり確保しなければ、地方経済は衰退します。
そうすることで、東京一極集中は加速するでしょう。
だからといって、地方の感覚で経営や採用を続ける企業に対策をと言っても無理です。
これは話すと長くなるのでまたの機会に。
さて、こんなサービスを見つけたので紹介します。
「地方のミカタ」さん。
トップページに書かれたキャッチコピーは、
東京で就職活動を頑張る地方学生を支援し、地方創生を実現します。
私の言いたいことはわかりますね。
これは、”地方学生のミカタ”であって、地方のミカタではありません。
地方の若い学生を東京に流出させるお手伝いなんです。
地方創生どころか、地方破壊してます。
いや、これ、すごく分かるんですよ。
県内の複数の大学から学生を集めて、就活関係のイベントや仕組みづくりをさせているんですけど、
県内企業からの問い合わせより、東京の企業からの問い合わせの方が多いですし、
マ○ナビなんかからも問い合せがあって、
「あ、これ地方の学生を東京に流すシステム作ったら儲かるな…」
と強く思いました。土台あるしやっちゃおうかと思いました。
しかし、地域の経済を活性化させ、行政には出来ない長期的な地方創生を実現していくという私の理念に強く反すると泣く泣く諦め、
地方の枠内で雇用を回せんかと四苦八苦しているわけです。
「学生が求めること」は東京への就職でしょうか。
それは「高い収入」「安定した生活」「やりがいある仕事」を得るための手段として「東京」を選んでいるだけではないでしょうか。
かと言って地方で誰もがそれを実現できるかというと、非常に難しいのが現状で、
これって数年で変えれるものではなく、必死に施策を打ち出していますが、
正直、上場企業が本気で採りにきたら、いくらきれいごと並べても無理です。
さすがに学生に対して「地方に殉じよ」とは言えませんし、
一緒に破滅の道に進めとは言えません。
本当に前を見て進むのが難しい地方社会なんです。
「地方のミカタ」さんを知った時の感想は「あー、これには勝てないな」でした。
企業側、学生側の「東京で働いてもらいたい」「東京で働きたい」を低コストで効率よく実現できるための仕組みなんですもん。
この「東京」部分を「地方」に置き換えると一気に難易度が跳ね上がって、マネタイズが難しくなるのはもう救いようのない将来のこの国の未来における地方社会を表しているのかもしれません。